先日、話題になった『0除算の宿題』の話。 ある小学校の教師が「9÷0=?」という問題を宿題に入れていたというのだが、その答えに「0」と小学生は書き、「○(まる)」で採点されていたというのだ。わたしもこの類の宿題を小学生のとき(50年も前)に出されてびっくりした記憶があるから、小学校の伝統宿題なのか? 我々は、2の平方根は1.4142135623731、1÷3は0.33333333、など、計算しきれない数をある程度の桁でごまかして実用に使っている。 あるいは、計算せずに「ルート2」や「3分の1」のままにしておく。記号で「π」や「∞」などにしておく。 では、0で割るのも、近い数でごまかして答えが出せないのかと考えられたのが、極限という考え。0に近い数で割るというのだ。 人間の知恵ってすごいね。 例の9÷0をごまかして0に近い数で割ると、 9÷0.0000001=90000000 電卓で計算するとこのぐらい。 割る数の小数点以下のゼロを無限に増やしていくと、答えは9の後ろに無限に0が付く。 実は、0に近いと言っても、マイナスとプラスがあるから、答えもマイナスとプラスがある。 『±∞』 が正解に近い数らしい。 つまり、『0』は大不正解。間違いです。 平方根や円周率みたいに、正解はないが、近い数は求められるということだ。 0の発見と∞の発見は人類に進歩をもたらした。 無理数や分数も。 今回、この変わった宿題のために多くの人類が数学に興味を持ったのもいいことだ。